開業7年、行列が途切れないお店
日本の標準時子午線が通る街、兵庫県明石市。その国道沿いに、ひときわ賑わいを見せるラーメン店があります。その名も【らぁ麺しん】。2018年の開業以来、地元で初めて本格的な二郎系ラーメンを提供する店として、ラーメン愛好家たちの間で話題を呼んでいます。
大将は髙橋伸一さん。常に行列ができるほどの人気ですが、「これは完成形ではない。いや、完成したら終わってしまう。だから常に考え、進化させている」と髙橋さんは言います。
他のお店と何が違うのか
敬遠されることもある二郎系。それは見た目のボリューム感、独特の注文方法、店内の雰囲気などの理由からですが、【らぁ麵しん】は他店とはいろいろな点が違います。例えば、
・わかり易い注文:事前に注文用紙に記入するので、二郎系独特の「コール(注文)」の難しさがない
・会計のし易さ :食事後にレジで支払うため、券売機の前で迷って、次の人をイライラさせることもない
・きれいな店内 :壁紙などにも投資を惜しまず、清潔感があり、ラーメン店にありがちな雰囲気ではない
・働き易い環境 :大将の想いが浸透しており、店員さんの対応も丁寧で親しみやすい
こうしたことからもわかるように、髙橋さんは「女性でも入りやすい店づくりを目指している」と言います。しかし、これは表面的な言葉ではありません。それは髙橋さんの人柄によってはじめて実現できるものです。
・家族思い :奥さまと子ども達をとても大切にしており、オンとオフを明確に分けている
・気配りができる :経営者交流会では常に全体を見まわし、遅滞ない進行を支えている
・思いやりがある :初めて交流会へ参加する人へも積極的に話しかけ、緊張を和らげてくれる
・誰にでも公平 :分け隔てなく皆と仲良くしていて、敵を作らない
これは、大将を知る多くの人が認めていることで、人格の素晴らしさがうかがい知れます。
地元客はもちろん、遠方から訪れるファンや女性も多く、行列が絶えないのも納得です。
今後も人気に拍車がかかるのは間違いないでしょう。
二郎系の真髄を味わう

【らぁ麺しん】の魅力は他店との違いに加え、当然のことながら、そのこだわり抜いた一杯の味わいにあります。
まずは麺。多くのラーメン店が、麺の製造は製麺会社に委託しているのに対し、本当においしくするためには自家製麺しかないと、思い切って設備投資をした髙橋さん。まさに気骨のラーメン職人と言えるでしょう。
その自家製麺は北海道産100%の小麦粉をブレンド。髙橋さんが、その日の分だけを毎朝5時から仕込み、麺がなくなり次第、営業は終了。麵でさえ作り置きしないのも、大将のこだわりです。縮れ麺がスープによく絡み、モチモチとした食感も抜群!極太麺はワサワサしがちですが、これも他店とは違います。
ラーメンは細麺に限ると考えていた筆者も、この極太麺にはその感覚を根底から覆されてしまいました。
チャーシューも自家製。国産ブランド豚肉の中でも、髙橋さんが厳選した部位を使っています。毎日、大将自ら血を取り除くなどの丁寧な手仕事をすることで、臭みやドス黒さもなく、箸で触ると崩れるほどに柔らかくジューシーに仕上がり、ラーメンの満足度を高めています。
もちろんスープも自家製。チャーシューの煮汁と、背脂の煮汁をベースに三日間かけて熟成させた豚骨スープ。これに、九州から特別に取り寄せている醤油をベースにした特製のカエシを合わせた、深い旨味とコクが特徴。これも、季節やその時の環境によって素材を工夫するなど、日々改良を加えています。
無料で提供されるトッピングの「野菜」「ニンニク」「脂」は量の選択が可能。麺の量も選べるので、自分の好みに合わせたラーメンを楽しむことができるのは二郎系ではお約束ですが、用紙に事前記入するので不慣れな人でも注文しやすい。もちろん、その野菜は作り置きせず、注文ごとに茹でており、そうした大将のこだわりもおいしさの秘訣でしょう。
本格的な二郎系ラーメンを味わいたいなら、「らぁ麺しん」は外せない一軒。筆者の知人女性も二郎系は敬遠していましたが、ここは本当においしい!と絶賛するほどです。こだわりの詰まった一杯、ぜひご賞味ください。

店舗情報
• 住所:兵庫県明石市硯町1丁目3-15
• 営業時間:11:30~14:30、19:00~22:30(ラストオーダー22:15、麺がなくなり次第終了)
• 定休日:毎週火曜日
• 最寄駅:山陽電鉄「西新町駅」より徒歩約5分
• 駐車場:なし
• 公式サイト:https://ramenshin.net/