疑ってかかるべし
コンサルティングの現場で、よく見かける間違いとして、顧客の言うことを鵜吞みにし、誤った戦略へ導いてしまうことが挙げられます。その結果、期待した成果が得られなかったり、ひどい場合には損失を招いてしまうことさえあります。そして本質を見失い、目的を達成するための一つの手段に過ぎないことが、いつのまにか目的化してしまうことです。「●●ありき」で戦略を見誤るというものですね。
それは事実ではなくて、解釈です!
「ウチは離職率が高いんだよね」「良い人材がなかなか応募してこなくて」「在庫削減のために需要予測システムを導入したい」「運送費が高いから、運送会社を変えたい」などなど。。。ヒアリングすると、こうした問題点が出てきますが、これらはすべて「個人の感想」であり、「解釈」にすぎません。これを鵜呑みにすると、短絡的な提案にしかなりません。例えば離職率、ゼロになることが本当に良いのでしょうか?
手段が目的化してはいけない
例えば離職率をゼロにすることが目的化され、居心地の良い職場を目指した場合、困り者で居続けてほしくない社員も離職せず、結果として会社の生産性が下がるどころか、収益力にまで悪い影響を与えてしまうことも起こり得ます。離職率が高過ぎるのも問題ですが、とは言え、離職率ゼロが最良とは限らないのです。目的はあくまでも収益力向上であり、離職率改善は目的ではなく、手段の一つでしかないのです。顧客の離職率が高いと言うのは「事実」ではなく、「解釈」なのです。例えば入社1年以内ならミスマッチが明確になった時点で離職したほうが本人も会社もお互いに健全だから離職率は50%まで許容する、入社3年以上なら離職は痛手となるので3%以内となるよう職場環境改善に取り組むなど、前提、範囲、指標などを明確にすることが肝要です。「離職率が高い」というのは一つの因子でしかなく(しかも定量的でなく解釈でしかない)、因果関係が必ず存在します。因果関係を結ぶことで点と点がつながり、それを線で捉え、最終的には面で捉える、すなわち経営全体を俯瞰するということが肝要です。
目的と手段を明確にするフレームワークが必要
手段が目的化してしまい、目指すべき成果が得られないのはよくある話です。弊社では問題と課題、目的と手段、戦略と行動計画など、明確に切り分けるためのフレームワークを用いて視える化しています。お問い合わせには無料相談をご利用ください。