日本は労働生産性が低いと言うけれど。。。
日本は労働生産性が低いと、欧米からよく言われますよね。
その要因として考えられることを調べてみたら、たくさん出てきました。
どこまで事実?
1)長時間労働と効率の低さ:
長時間労働が美化される時代が長く続いてきた。英語化された「karoshi」(過労死)という言葉が存在するほどだ。それが必ずしも高い成果や効率を生むわけではなく、むしろ疲労やストレスが生産性を低下させることもある。
2)デジタル化の遅れ:
デジタル技術の導入が他の先進国に比べて遅れている。マイナンバーカードは導入されたものの、その活用は道半ば。役所の手続きや会議資料などもまだ紙を多用している。
3)労働市場の硬直性:
労働市場が硬直的で、労働者の移動が制限されることが一因。終身雇用制度や年功序列の賃金体系も未だに根強く残っている。
4)サービス産業の商習慣:
サービス産業、特に小売りや飲食業では、過度なサービスや顧客対応が効率を下げる要因となっていることも考えられる。
以上の1)から4)は解釈に過ぎないかもしれませんが、次の5)は事実でしょう。
5)国際比較:
経済協力開発機構(OECD)や国際通貨基金(IMF)などの統計によると、日本の労働生産性(労働者1人あたりのGDP)は他の先進国に比べて低い。たとえばOECDによると、日本はG7の中で労働生産性が最も低いとされている。
なるほど、日本の労働生産性が低いのはデータからも明確なようです。
身近な場面では
しかし筆者は、もっと身近な場面でしばしば感じることがあります。たとえば会議での場面。
「えー、それでは定刻となりましたのでですね、会議を始めさせていただきたいと思いますが、あー、よろしいでしょうか、はい、大丈夫そうですね、では始めさせていただきます」
こうした話し方、よく耳にしますよね。でも筆者ならば、こう言います。
「定刻ですので会議を始めます」
この場合、前者のFT率は21%です。
FT率とは?
IE(Industrial Engineering)にはFTとITを分ける考え方があります。
・FT(Function Time、価値作業、付加価値を生む作業)
・IT(Idle Time、無価値作業、付加価値を生まない作業)
これは、本当に必要なこととそうでないことを明確に分け、付加価値を生まないもの、すなわちムダを減らしていこうという考え方です。
上述の会議の場面の例で、前者のFT率を(ひらがな文字数で便宜的に)計算すれば、17文字÷82文字、つまり価値作業率21%、後者の生産性の約1/5しかないという評価になります。
欧米人は、英語であればおそらくこのように言うでしょう。
It’s time, so let’s start the meeting.
あるいは、次のような表現もできますが、いずれもFT率はほぼ100%です。
Now the time, so let’s get started.
It’s on time, so let’s move on to the discussion.
いかがでしょうか。身近な例で考えても、日本は無駄だらけです。あなたも日頃からFT率向上を意識してみてはいかがでしょうか。