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コラム
2024.2.5 経営コンサルティング

戦争から学べばロジスティクスも分かり易い?

ロジスティクスの和訳は「兵站」

ロジスティクスとは、元々は軍事用語であり、兵站を意味します。これについては弊社メルマガでもお伝えしていますので、ここでは実際の戦争ではどのように当てはまるのかを簡単にご紹介しましょう。

日本はなぜ負けたのか?

第二次世界大戦で日本が負けたのは、ロジスティクスを軽視したからだという説をよく耳にします。これはご存じの方も多いと思いますが、念のために記しますと、日中戦争と太平洋戦争において、戦地で命を落とした軍人は約230万人、そのうち病気や飢えのために亡くなったのはその半数を超える約60%、140万人と言われています。戦闘が直接要因で亡くなった人よりも多いわけです。ロジスティクスによる統制がきちんとできていない状況で、武器や弾薬だけでなく医薬品や食料品が行き渡らないにもかかわらず、無謀に敵に向かっていった結果ということですね。

湾岸戦争ではどうだったか

一方、1991年の湾岸戦争における多国籍軍の勝利は、ロジスティクスの勝利とも言われています。この湾岸戦争では、55万人に上る要員と700万トンもの物資が動きました。物資だけで単純計算すると、大型トラック70万台分に相当し、これを1列に並べると日本列島のおよそ4つ分もの長さになります。これだけの物量を統制しようとするならば、周到な準備が必要です。何をどこから調達あるいは生産し、どこからどこへどのように運び、そして第一線に供給していくためにはどうすれば良いのか、動線やロケーション、リードタイムを考慮した計画、そして運用が始まってからの動きに追随した統制、それはトヨタ流に言うところの、いわゆるリーンな生産管理が必要なのです。また、いくら戦争に勝つためと言って、物量が多ければ多いほど、輸送は早ければ早いほど良いということでもありません。必要以上の物資を、すべて飛行機で運んでいたらどうなるか考えれば分かることですが、サプライチェーン全体でのコスト抑制も併せ持って考え、非常に緻密な計算を基に管理しなくては成り立ちません。こうした取り組みこそがロジスティクスなのです。

ロジスティクスと物流は異なる

大半の人がロジスティクスと物流を同じものだと考えていますが、それは違います。これも弊社メルマガでお伝えしていますが、物流、ロジスティクス、そしてSCMへの取り組みは、それぞれ別の考え方が必要です。弊社では、こうした課題にも対応しています。お問い合わせには無料相談をご利用ください。

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