時代は変わった
機械メーカー、特に筆者も勤務していたコマツとクボタでは、エンジニアは従来、機械工学を専攻してきた人が多数派でした。
一方、機械工学以外の、例えば電気工学などを専攻してきた人は、いわば出世コースからは遠いキャリアパスにいました。筆者の元同僚で、コマツのテニス部でも一緒に活動していた、電気工学専攻のエンジニアも、卑屈な想いを抱き続けていたそうです。
しかし最近、ニッポンの製造業界でも、モジュール型への変革を探る動きが活発になってきました。それは、ハイブリッド化・電動化・自動化の影響です。
すり合わせ型の弊害とは?
上述の、電気専門の元同僚は、自分でも亜流だったと回顧しています。
ところが、いまや本流の、それもど真ん中に居ます。執行役員になり、ハイブリッド化・電動化・自動化の責任者として、その重責を全うすべく奮闘しています。
その彼が筆者に打ち明けた悩み。
それは、今まですり合わせ型でやってきたことによる弊害でした。
・社内でソフトウェアのエンジニアが不足している(機械屋ばかりだった)
・しかし標準化が遅れている(モジュール化してこなかった)
そのため、仕様書すら揃っていないものもあるなどの状況で、ソフトウェア開発を外部委託しようにも、なかなか進まないというのです。
もはや、すり合わせ型一辺倒ではなくなった
ハイブリッド化・電動化・自動化の波が押し寄せ、パラダイムシフトを余儀なくされている。でも、ニッポンのモノづくりは、すり合わせ型による高い品質が売り物であり、競争力の源泉だったともいえましょう。では、何が正解と言えるのか。あなたならどのように考えますか?
モジュール型、すり合わせ型、両方のアプローチを適切に組み合わせることで、効率性と品質の両面をバランスよく実現していきたいものですね。