このたび、2冊目となる拙著が刊行されました。
Amazonや楽天市場などでは現在、予約を受け付けています。
『止まる組織、動き出す組織~変革を阻む構造と成功への条件』
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楽天市場 https://books.rakuten.co.jp/rb/18833792/
変革に取り組んでも、なぜ成果が出ないのか
不祥事が起きると、多くの組織はまず管理体制の強化に乗り出します。
確認項目を増やし、承認手続きを重ね、研修を実施する。
もちろん、それ自体は必要なことです。
しかし、管理体制を強化することと、不祥事が再発しない組織をつくることは、必ずしも同じではありません。
これは不祥事に限った話ではありません。
離職率の悪化、エンゲージメントの低下、生産性の停滞。
一見バラバラに見えるこれらの問題の背景には、共通する要因が潜んでいることが少なくないのです。
制度を整えても、本質は変わらない
制度や仕組みは整えた。それでも、
・社員が問題を率直に報告できない
・上司に異論を唱えられない
・改善提案が出ても、行動につながらない
こうした状態が続いているなら、組織の本質は何も変わっていません。
仕組みは「器」にすぎず、その器を使うのは結局、一人ひとりの人間だからです。
では、組織変革の成否を分けるものは何なのか。
心理的安全性やリーダーシップといった言葉を掲げるだけでは足りません。
問うべきは、ただ一つです。
【経営層から現場の一人ひとりに至るまで、日々の判断と行動が実際に変わっているか?】
この問いにまっすぐ向き合えるかどうかが、もっとも重要な鍵を握っています。
「両立」を超える ― アウフヘーベン(止揚)という視点
組織づくりの議論は、とかく二者択一になりがちです。
「もっと自由に意見を言える職場に」という声があれば、「規律が緩む」という反論が出る。
説明責任を伴わない心理的安全性は、ぬるま湯になりかねません。
しかし、管理強化だけでは組織が壊れていきます。
どちらか一方では、うまくいかないのです。
大切なのは、心理的安全性と説明責任の、単なる「両立」ではありません。
それは、両者を一段高い次元で統合すること。
安心して本音が言えるからこそ、結果に責任を持てる。
責任を引き受けるからこそ、率直な対話に意味が生まれる。
その循環の中で、自ら考え、行動する組織風土が育っていきます。
これは組織風土に限りません。
どのような経営課題においても、対立を超えて統合する。
そういった「止揚思考」が、突破口になると私は考えています。
本書に込めた思い
本書の執筆を決意した背景には、一人の国家公務員の死があります。
財務省の森友学園問題に絡んで、自ら命を絶たれた故・赤木俊夫さんです。
一人の誠実な人が、組織の中で追い詰められた。
そして最後には、命と引き換えに正義を貫くことでしか、自らの意思を示せなかった。
この現実を、私は決して忘れることができません。
正しいことを「正しい」と言う。それだけのことが、なぜこれほど難しいのか。
その問いが、ずっと私の中にあり続けています。
人が安心して正しいことを正しいと言え、自分らしく力を発揮できる組織をつくる。
それによって、働く人が成功や幸せを実感できる世の中にしたい。
そう念じながら、本書を書き上げました。
私には夢があります
それは、日本から組織不祥事をなくすことです。
もちろん、一冊の本で実現できるような簡単なことではありません。
それでも、一人のリーダーが変わり、小さなチームが変わる。
そして、一人のメンバーが勇気を持って声を上げられるようになっていく。
その小さな変化は、やがて周囲へと静かに広がっていくはずです。
私は、その可能性を信じています。
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