問題と課題は異なる概念
問題と課題という言葉を何気なく使っていませんか?
某放送局でもよく混同していますが、厳密には異なる概念です。
例えば、「少子高齢化が課題となっている」という表現。
違和感を覚えませんか?
もちろん、「問われているお題」「課せられたお題」と考えれば、問題と言っても課題と言っても、いずれも差し支えないように思われます。
でも、試験に出てくる難しい問題に「大」をつけて大問題とは言いませんし(この場合は難題ですよね)、逆に大きな不具合のことを大課題とは言いませんよね(この場合は大問題ですよね)。
日本語は難しい
さて、少子高齢化は一つの事実かもしれませんが、それ自体が問題ではありませんし、課題でもありません。
少子高齢化によって引き起こされることとしては、例えば「人材不足により外国人労働者が無秩序に増えて治安が悪化した」と言えば、これは問題となります。
それによって見えてくる課題は、例えば「外国人労働者の啓発強化」などになります。
仮に「少子高齢化」が「課題」だとすると、少子高齢化を推し進めることが必要であるとも解釈できてしまいます。
なんだか、おかしいですよね。
ミスリードになっていませんか?
日常会話であれば、「少子高齢化が課題である」と聞いても、何を言いたいのかはおおよそわかります。
しかしビジネスの現場では、誤解を招きます。
特に、戦略を立案し、行動計画を策定するような場面では、ミスリードになりかねません。
正しい戦略へと導くためには
改善のためには、
・【問題】を列挙し分類する
・要因を分析する
・分析結果から取り組むべき【課題】を見極める
・戦略を立案する
・行動計画に落とし込む
といった観点で話を整理していくことが必要です。
また、メルマガでもお伝えしていますが、
・それぞれの【問題】の因子を定量化する
・因果関係を繋げる(点と点を線で結ぶ)
・結ばれた線を、さらに経営全体で繋げて面で視える化する
・経営を網羅したうえで【課題】を見極め、戦略を導き出す
・課題に取り組んだ場合のBefore/Afterを定量評価する
・課題の優先順位を決めて行動計画に落とし込む
といった手順を踏むことも大切です。
このように見ると、問題と課題はまったく別のものであることがわかりますよね。
こうした考え方は、コンサルタントだけではなく、一般的な組織での取り組みにおいても当てはめることで、成果を高めることが可能となります。
あなたもぜひ、ご自身のお仕事に取り入れてみてくださいね!